土に水と珪藻を加え、型に流し込めるよう泥状に練ります。この時、土が柔らかすぎるとピンホールができやすく、やわらかすぎると生地に厚みがつきにくくなり
長年の経験でほど良い硬さに調節します。

さらに生地がなめらかになるよう細かいあみ目で濾します。こうしでできた泥漿を型に流し込みます。

約40分置いたあと
中にたまっている余分な泥を流して
泥が固まるまで約20分ほど乾かし、型から外します。
この時まだ半渇きの状態です。

半渇きの状態のまま、鯉や龍の装飾をほどこします。
その後乾燥させていくのですが、特殊な技法のため
ひび割れ 破損しやすいので
気温、湿度を考えながら、ゆっくりと自然乾燥させます。

乾燥したら、目やうろこの繊細な部分を丁寧に仕上げていきます。
この工程が、勢い・躍動感を表現するために極めて重要な工程になります。
時間をかけ慎重に行います。

最後は窯に入れて焼成します。

ごく弱火で2時間
余分な水分・不純物などを除去します。
窯の温度は約600℃です。
火力を2倍にして800℃まで上げます。
更に徐々に火力を上げていき、13時間かけて1220℃にします。
そこから3時間 1220℃を保ち 火を消します。

割れ・ヒビ割れを防ぐため ダンパーを閉じ500℃以下に下がるまで
ゆっくり丸一日かけて冷まします。
こうして生地つくりから始まった作品作りもようやく完成です。

窯を開ける瞬間が一番緊張する時です。
そして何よりも楽しみなのです。

陶器の原材料は自然の土


場所・深さ・同じ原料であるはずのない大地の恵み


想ったフォルムにならなかったり、割れてしまったり


試行錯誤の末、窯に入れる事ができたなら


炎の神様に願いを込めます。


こうして生まれた作品は


全て表情のちがう唯一無二の作品になるのです。